Kame(b)の音楽にまつわる何か

Kame(b)の主に音楽にまつわる適当なことを記します。

SONYのMDステーションMZ-R5STを修理する(再修理編)

前回、液漏れで腐食したパターンおよび液晶パネルのビネガーシンドロームの修理を行った。

kamebass.hatenablog.com

が、再生ボタンなどの操作パネルが効かないというトラブルが発生!これには心当たりがある。組みなおす際にメイン基板と操作パネル基板とを接続するフレキシブルフラットケーブル(FFC)を刺すときに、横着した作業をしてケーブルを強く曲げすぎた記憶がある。なので、分解して当該フレキシブルフラットケーブルを取り外した。

フレキシブルフラットケーブルを確認
確認してみると先端の部分を強く曲げすぎて断線したようだ。テスターで測定したところやはり断線していた。フレキシブルフラットケーブルのサイズ等を確認したところ14ピン、ピッチ0.75mm、長さ15cm。さっそく新品を購入して交換しようと探したが、現在の主流は0.5mmピッチのようでどこにも売ってない。これは困った。

フレキシブルフラットケーブルの修理

ウェブを検索してみるとフレキシブルフラットケーブルを修理している記事をみつけた。またフレキシブルフラットケーブルの構造についてのページも発見した。これらを参考にして修理を試みる。

上記の修理記事をみると、両面のPETシートを接着している接着剤を温めて柔らかくし、はじからPETシートを剥がして導体を露出させるとのこと。さっそく、どこのご家庭にもあるヒートガンを使ってフレキシブルフラットケーブルの先端部を温める。まず、これで補強板が剥がせた。次に、断線箇所を含む先端部を綺麗に切除したあと、再度、ヒートガンを使ってフレキシブルフラットケーブルの先端部を温める。しかし、うまい具合にPETシートは剥がれない。うまくいかないのでヒートガンでのさらに加熱していったら、PETシートが収縮してしまって失敗!

PETシートが縮んで失敗
しょうがないので、縮んだ箇所を切り落とす。どんどん短くなるがかなり余裕のある設計になっているので無問題。次は、やすりやナイフの刃先で物理的にPETシートを削り落とすことにする。
表面を削り落とす
導体を削らないよう時間をかけて慎重に作業して何とか先端部を整えることに成功した。なお写真では棒やすりが映っているが、紙やすりが一番やりやすかった。
先端部の加工成功
最後に、補強板を接着剤で貼りつけるだけ。接着剤は何がいいのかなと調べたら、PET素材は接着が難しいのね。PET素材の接着にも対応するというセメダインスーパーXハイパーワイドを購入して接着した。これでフレキシブルフラットケーブルの修理は完了。

組み立て&動作確認

修理したフレキシブルフラットケーブルを使って組みなおして動作確認する。まずは液晶の確認。

修理後の液晶
ビネガーシンドロームは見事に解消された。満足。以下、動作確認。MZ-R5STの接続先は、RolandのオーディオインタフェースUA-4FX、ヘッドフォンはAKG K271 MkII。

  • アナログ出力OK(左右で出力レベル差なし)
  • ヘッドフォン出力OK(左右で出力レベル差なし;音量も修理前よりあがった;ボリュームのガリもなし)
  • デジタル出力OK
  • アナログ入力の録音OK
  • デジタル入力の録音OK

よし。あとはRCA端子、ヘッドフォン端子など各種端子を無水エタノール及び接点復活材で掃除。操作ボタンとケースの隙間にあった埃をエアーで吹き飛ばして除去。ケースを綺麗に拭き掃除。これで修理完了。ヤフオクで高く売れると嬉しいなー。

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